うら田 創業80年史
10/141

12北陸新幹線開業で売り上げ5割増  金沢―東京間を最短2時間28分で結ぶ北陸新幹線は、平成27年(2015年)3月14日の開業から1年間で、予想をはるかに超える900万人以上が利用した。加賀百万石の歴史と文化、情緒あふれる美しい街並みは多くの人々を魅了し、開業2年目に入ってもJR金沢駅は連日大勢の乗降客でごった返している。 金沢駅構内で多くの観光客が足を運ぶのが、地元の菓子や食品、伝統工芸品を扱う店がずらりと並ぶ金沢百番街「あんと」だ。江戸時代から茶の湯が盛んな金沢は、京都や松江に並ぶ菓子どころとして知られる。それだけに、観光客向けの土産菓子でなく、味に定評があり地元で長年親しまれている銘菓を買い求める旅行者も多い。とりわけ観光客の人気を集めているのは和菓子で、どの店も開業前に比べ、売り上げを大きく伸ばしている。 昭和11年(1936年)に金沢市内で創業した浦田甘陽堂もその一つだ。北陸新幹線が開業したその年、金沢駅店の売り上げは前年比で5割増しという急カーブを描い

元のページ  ../index.html#10

このブックを見る