うら田 創業80年史
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110血肉にしていけるかどうかは本人次第であり、そのためには絶えず身の回りにアンテナを張り巡らせていなければいけないというわけだ。 東一の修業は2年に及んだ。技術の習得にとどまらず、小田社長の薫陶を受け、仕事に対する姿勢やポリシーを学んだ時間はその後の東一の大きな糧となった。 苦心の末に「愛香菓」を商品化 一郎は、修業を終えて浦田に入社した東一を製造部に配属した。そして東一がその3年後に開発したのが「愛香菓」だった。これはしっとりとしたクッキーのような生地を角砂糖ほどの大きさに焼き固めた菓子で、口の中に入れるとほろほろと崩れ、優しい甘さとアーモンドやレモン、シナモンの風味がふわりと広がる。 ベースになったのはスペインの焼き菓子「ポルボローネ」だった。一郎がポルボローネについて知人から紹介してもらったことを糸口に、その独特の食感を面白いと感じた東一が開発に取り組んだ。 当時は一般にはほとんど知られていないスペインの菓子だけに、作り方だけでなく
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