うら田 創業80年史
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114 制作の中心を担ったのは、当時生産部長を務めていた安井である。石川県の県鳥に指定されているイヌワシの荒々しさを表現しようと、安井は動物園で実物を観察したり、白山自然保護センターで生態を調べたりして構想を練った。 砂糖と餅粉を練り上げた雲うん平ぺいと呼ばれる生地をパーツごとに成形し、組み上げていく作業には、日常業務を終えた社員も駆けつけて協力した。菓子職人だけでは手が足らず、事務スタッフも含めほとんどすべての社員が制作に参加した。 構想から約1年をかけて出来上がった工芸菓子は、180センチメートル四方の陳列ケースにぴったり収まるほどの大作となった。その迫力に来場者は圧倒され、出品された152点の中から優秀作に与えられる総裁工芸文化賞を受賞した。金沢菓子博’94に出品した工芸菓子「白山麓の翼」

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