うら田 創業80年史
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14装紙を歳暮の時期だけ使っていた赤色に変更し、現在の大ヒットにつなげている。 もっとおいしく、喜んでもらえる菓子を  親子三代が約60年にわたって育て上げてきた「加賀八幡 起上もなか」が、北陸新幹線開業の追い風を受け、飛躍的に売り上げを伸ばす現状は、端から見ると会社を大きくする絶好のチャンスに思える。 しかし、現在会長を務める一郎と社長の東一は「背伸びして拡大路線に舵を切ることはない」と口をそろえる。その言葉通り、無理に設備投資したり、人員を増やしたりすることもない。バブルのような現状に踊らされるのではなく、日々、一歩一歩を着実に歩んでいきたい。そんな思いを強くしているのだ。 二人が何より大切にしたいと考えているのが、おいしい菓子作りだ。創業者・一が商品化した「加賀八幡 起上もなか」を筆頭に、一郎の代では粉乳と卵を使ってふっくらとさわやかに仕上げたメレンゲを、甘く味付けしたもなかの皮で挟んだ「さい川がわ」、東一の代ではアーモンドとレモン、シナモンの香りが溶けあう洋風和菓子「愛あい香こう菓か」

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