うら田 創業80年史
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134年(2011年)からは通年で赤い個包装を採用した。 こうした改良が実を結び、「加賀八幡 起上もなか」の売り上げは急カーブを描いて伸びた。今では押しも押されもせぬメイン商品に返り咲き、特に旅行客でにぎわうJR金沢駅構内の売り場では売り上げの約5割を占めるほどで、浦田の成長の牽引車となっている。モラロジー生かし人材育成  商品を磨くと同時に東一が力を入れたのが、モラロジーの教えを経営に取り入れていくことだった。東一は洋菓子店の閉店を契機に、一郎と入れ替わりでモラロジー研究所の関連団体である日本道経会北陸支部に入会した。道徳に基づく企業経営の普及を目指す経営者たちの集まりで、東一はその勉強会やセミナーに積極的に参加した。 工場火災の後、突然社長を任された一郎がモラロジーの教えに経営のよりどころを求めたように、東一もまた会社の危機に直面して、モラロジーを実践する重要性に気付かされたのだった。

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