うら田 創業80年史
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16(一郎)。 こうした取り組みの根底にあるのは、お客様に喜んでほしいとの一念だ。一郎は「商売の目的はあくまでもお客様の役に立つこと。決して〝儲もうける〞ことが目的ではなく、結果として〝儲かる〞のであり、どうすれば自分が利益を得られるかではなく、お客様のことを第一に考えなければならない」と力を込める。東一にしても、その思いに変わりはない。 こうした経営思想とその実践を絶え間なく続けることで、浦田甘陽堂は平成28年(2016年)10月15日、創業80周年の節目を刻んだ。 とはいえ、今日までの歩みは決して順風満帆だったわけではない。火災で工場が全焼したこともあった。事業の新たな柱にと期待をかけた洋菓子部門を、断腸の思いで閉鎖したこともある。たとえ倒れかけそうになっても、逆境にめげず必ず立ち上がる。失敗に屈せず奮起する。まさに「加賀八幡起上り」を地で行く浦田甘陽堂の歴史を紐解いていく。

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