うら田 創業80年史
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41第1章 始まりはパン屋から一のもとに金沢市片町で金物店を営みながらモラロジー(道徳科学)を熱心に勉強する都築氏から、「千葉県柏市にある麗れい澤たく高校の進学説明会を金沢で開くので参加しないか」という誘いがあった。 モラロジーとは「道徳」を表す「モラル」と「学」を表す「ロジー」からなる新しい学術名で、法学博士の廣ひろ池いけ千ち九く郎ろうが大正15年(1926年)に提唱したのが始まりである。 民族や宗教の対立、心の荒廃などを解決するため、一人一人が自分中心の考え方を改めて道徳心を高め、感謝の心、思いやりの心、自立の心をはぐくむとともに、人類の平和と幸福を願うことを目的としている。 一はモラロジーについては初耳だったが、誘われるまま一郎を連れて説明会に足を運んだ。麗澤高校はモラロジーに基づく教育を推進する学校法人廣池学園が運営する高校で、説明会では教育方針や教育環境の説明のほか、麗澤高校に通う現役の生徒が学校生活について詳しく話してくれた。 一は公立とは異なる特色ある教育に魅力を感じ、一郎に麗澤高校への進学を勧め、一郎も同校を受験することに決めた。

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