うら田 創業80年史
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51第2章 山あれば谷ありけ、初日から大にぎわいとなり、どの店も日を追うごとに売り上げを増やしていった。 幸いなことに、この金沢ステーションデパートのオープンと加賀舞づるの商品化がぴったりと重なり、浦田にとっては店の認知度を上げる絶好の追い風となった。 ちなみに、組合ではその後、昭和36年(1961年)に開港した小松空港や昭和37年(1962年)にオープンした金沢市観光会館(現在の金沢歌劇座)をはじめ、加賀温泉郷のホテルや旅館にも次々と販路を広げていき、浦田の業績は右肩上がりを続けた。 「加賀八幡 起上もなか」の誕生  加賀舞づるで経営の土台を築いた一は、手をゆるめず新商品開発に精力的に取り組んだ。そして、昭和30年(1955年)に販売を開始したのが、今もロングセラーとなっている「加賀八幡 起上もなか」である。 これは金沢に伝わる郷土玩具「加賀八幡起上り」をかたどったもの。加賀八幡起上りは、金沢五社の一つの安江八幡宮にまつられる八幡大神(応神天皇)が生まれた際に、深紅の産着で包んだ姿を模した張り子の人形で、金沢では古くから子どもの健康と幸

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