うら田 創業80年史
86/141

88が激しくなっていたのである。市内各所で道路の新設や拡幅工事が行われ、浦田の店の前を通る通称・野田専光寺線も、昭和47年(1972年)に開通した北陸自動車道・金沢西インターチェンジと市中心部を結ぶ幹線道路として拡幅工事が進められた。 野田専光寺線の拡幅に伴って、店はセットバックを余儀なくされた。このため、裏手にある大蓮寺の土地を購入し、元からの土地と合わせ20坪ほどの敷地を確保した。新店舗は鉄筋コンクリート5階建てで、1階を店舗、2階を洋菓子の製造スペースと事務所、3・4階を一郎ら家族の住まいに充て、5階を物置とした。 さらに、店舗の半分を和風、もう半分を洋風の造りとし、それまで細々と作っていた洋菓子の種類を増やした。この狙いについて、一郎は「近隣に洋菓子店がなかったため、お客さんに喜んでもらおうと思った。それに菓野町本店は店舗の半分が和風、もう半分が洋風という珍しい造り

元のページ  ../index.html#86

このブックを見る