うら田 創業80年史
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89第3章 焼け跡からの再出発子に和洋の区別はないと常々考えていた」と振り返る。 洋菓子を陳列するため、新店舗には長さ約3メートルの大型冷蔵ケースを導入した。これほど大きな冷蔵ケースを店に置いたのは、金沢市内の菓子店では初めてだった。 そして、以前から作っていた長崎カステラ、シュークリームに加え、カステラ生地にバナナとバタークリームを挟んだオムレット、バタークリームとイチゴを使ったショートケーキ、ジャムやクリームをふわふわの生地ではさんだブッセなどを新商品として販売した。また、クリスマスの時期には家庭でケーキ作りを楽しんでもらおうと、スポンジケーキとバタークリーム、チョコクリームなどの材料をセットにした商品も企画した。 和菓子と洋菓子の両方が買える珍しさも手伝って、年末には店に入りきれないほど多くの買い物客が詰めかけ、新店舗は上々のスタートを切った。 観光物産館で「加賀舞づる」の製造実演  昭和48年(1973年)にオイルショックが世界を襲うと、昭和30年代から続いて

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